特集 緊急対応を要する循環器疾患
救急対応を要する代表的な循環器疾患の診断と治療
急性下肢動脈閉塞
辻村 卓也
1
,
飯田 修
1
1関西労災病院 循環器内科
キーワード:
急性下肢虚血
,
診断
,
治療
Keyword:
急性下肢虚血
,
診断
,
治療
pp.387-390
発行日 2022年3月1日
Published Date 2022/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika129_387
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
Summary
▪急性下肢虚血(ALI)は,下肢動脈が急性に閉塞することで下肢虚血が急激に進行し,下肢予後,生命予後に関わる重篤な疾患である.
▪主な原因は塞栓症や血栓症である.古典的な症状として,疼痛,蒼白,脈拍消失,冷感,知覚鈍麻,運動麻痺があり,“6Ps” とよばれる.
▪診断には,造影CT,ドプラエコー,下肢動脈造影などが用いられる.
▪予後改善のために早期の血行再建が必要であり,緊急で外科的治療や血管内治療が必要となる.治療方法は患者の全身状態や病変などから総合的に判断して選択される.
▪血行再建後も筋腎代謝症候群やコンパートメント症候群の併発リスクはあり,慎重な全身管理を要する.また,原因の同定,再発予防が重要となる.
© Nankodo Co., Ltd., 2022