特集 術前・術後管理 '91
H.術後合併症の対策
a.頭頸部術後の合併症
頸部術後の創感染
武市 宣雄
1
,
土肥 雪彦
1
1広島大学医学部第2外科
pp.204-206
発行日 1991年10月30日
Published Date 1991/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407900619
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■病態・病因■
頸部の手術では甲状腺,上皮小体,血管,神経などは無菌手術であり比較的安全である.しかし気管,喉頭,食道,咽頭,唾液腺管,先天性頸瘻などは内腔に常在菌が存在し,これにメスが加えられると準無菌手術になると考えるべきである.さらに頸部の特殊事情として,反回神経を損傷すると声帯麻痺による誤嚥,喀出困難などから気管支炎,肺炎を合併しやすくなるので注意を要する.術後の頸部創感染の病因としては,創の局所的要因と患者の全身的要因が考えられる(表1).
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