Japanese
English
臨床研究
穿刺吸引細胞診による頸部腫瘤の鑑別診断
Differential diagnosis of the neck masses by aspiration biopsy cytology
藤井 康史
1
,
松山 敏哉
1
,
松本 治夫
1
,
武市 宣雄
1
,
江崎 治夫
1
,
土肥 雪彦
1
Yasuhumi FUJII
1
1広島大学医学部第2外科
pp.1111-1117
発行日 1985年8月20日
Published Date 1985/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407209093
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はじめに
穿刺吸引細胞診(Aspiration Biopsy Cytology,以下ABCと略す)は細い注射針で病巣を刺して,そこから"細胞集団"を吸引し,それをスライドグラスの上にスメアとしてのばしたうえで染色をほどこし診断する方法である.本法はすでに1930年代New YorkのMartinらによりはじめられ,1950年代以降は主として北欧を中心に地道な研究が蓄積され,しだいに臨床診断法としての地位を高めてきた.本邦でもここ5年間ばかりの間にその有用性について多くの外科医が注目するところとなり,穿刺の対象は単に体表近傍の腫瘤性病変ばかりでなく肺や腹腔内の腫瘤にまで拡大しつつある.当科においても結節性甲状腺腫や乳腺腫瘤の術前routine検査法としてABCを採用し,その実績についてはすでに報告してきた1,2).そこで今回は,甲状腺腫を除いた頸部腫瘤のABCの診断成績について検討し,その有用性について報告する.
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