Japanese
English
特集 胃癌の治療update
腹部大動脈周囲リンパ節郭清の適応と成績
Indication and long-term results in treatment of gastric cancer with para-aortic lymph node metastasis
愛甲 孝
1
,
帆北 修一
1
,
才原 哲史
1
,
島田 麻里緒
1
,
夏越 祥次
1
,
吉中 平次
1
,
高尾 尊身
1
,
島津 久明
1
Takashi AIKOH
1
1鹿児島大学医学部第1外科
pp.1075-1082
発行日 1991年9月20日
Published Date 1991/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407900502
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腹部大動脈周囲リンパ節(No⑯)転移64例の自験例を中心に,適応・成績を含め,その問題点を検討した.No⑯転移例の郭清群の累積5年率は14%であり,長期生在例の多くは予防的に郭清した症例,No⑯の微小転移症例,転移個数が1〜2個の症例などであった.No⑯の予防的郭清の適応は,①他に非治癒因子がなく,No⑯に転移が疑われる場合,②第2・3群リンパ節転移陽性例(胃上部癌,噴門部癌では第1群リンパ節転移陽性例も含む)における拡大郭清の対象症例,③S1以上の症例(胃上部癌,噴門部癌ではS0を含む)における重点的郭清の対象症例,などである.治療的郭清の適応は,リンパ節転移が単発か,複数でも3個以内の片側のもので,相対的非治癒切除が期待される症例である.今後は同じ適応のもとでrandomized studyによる臨床効果を検討する必要があろう.
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