Japanese
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特集 内視鏡下外科手術
腹腔鏡下胆嚢摘出術の適応
Indication of laparoscopic cholecystectomy
吉田 和彦
1
,
河野 修三
1
,
松田 実
1
,
三澤 健之
1
,
小林 進
1
,
櫻井 健司
1
Kazuhiko YOSHIDA
1
1東京慈恵会医科大学第1外科
pp.935-942
発行日 1991年8月20日
Published Date 1991/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407900484
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腹腔鏡下胆嚢摘出術(LC)の開発により,胆石症に対する治療体系の抜本的な見直しが必要となった.すでに欧米の多くの外科系施設では全胆石例の80%以上にLCが施行されており,治療法の第一選択となりつつある.さらに,胆嚢ポリープへも適応が拡大している.LCは開腹下胆嚢摘出術と同等の安全性と長期的な効果が期待でき,非手術療法に準ずる術後の軽い疼痛,短い入院期間と回復期間,さらに美容的な効果などか得られる.LCの絶対的非適応は急性胆管炎,急性膵炎,全身麻酔に耐えられない状態,腹膜炎,妊娠,出血傾向などである.LCの開始直後は比較的容易な症例を選択すべきであり,症例を重ねながら慎重に適応を拡大することが望ましい.
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