Japanese
English
臨床研究
末梢動脈閉塞症に対するTranscutaneous Oxygen Tension測定の意義に関する検討
Transcutaneous oxygen tension measurements in patients with peripheral vascular diseases
左野 千秋
1,3
,
神代 龍之介
1,3
,
Morris D. Kerstein
2
,
松元 輝夫
2
Chiaki SANO
1,3
1福岡大学医学部第2外科
2ハーネマン大学医学部外科
3現:ハーネマン大学医学部外科
pp.355-357
発行日 1991年3月20日
Published Date 1991/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407900399
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はじめに
末梢動脈閉塞症に対する血行再建術の効果判定を,迅速かつ的確に侵襲の少ない方法で行うことはきわめて重要なことであり,従来,血行再建術の効果判定の指標としては,ドプラー血圧計などによって計測されたankle arm index(AAI)が主に用いられてきた.しかし,糖尿病患者などのように動脈硬化性変化や石灰化の強い動脈を有する患者では,下肢の血圧が正確な血圧ないしは血流量に比例し難いうえに,皮膚潰瘍のある患者や術直後の創を有する患者では,創の近傍で血圧を測定しにくいことが多いため,血行再建術の効果判定にAAIが用いられる例はおのずと制限されていたと考えられる.
また,動脈造影は血行再建術の効果判定にとって侵襲が強い検査であり,特に腎不全患者や腎機能の低下した老人などにとっては腎に対して造影剤が悪影響を及ぼす可能性を否定することができず,容易に行える検査法とはいい難い.
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