Japanese
English
特集 緊急手術の手技・Ⅱ
末梢動脈閉塞
Emergency surgery of peripheral arterial occlusion
阪口 周吉
1
,
中川 自夫
1
,
亀田 正
1
Shukichi SAKAGUCHI
1
1慶応義塾大学医学部外科学教室
pp.1369-1373
発行日 1969年10月20日
Published Date 1969/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407204958
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はじめに
急性末梢動脈閉塞症は,大別して外傷によるものと,主として心血管系の疾患を基礎として発生する急性動脈閉塞症(sudden arterial occulsion)とに分たれ,後者には塞栓症と血栓症が含まれる.いずれも迅速かつ適切な診断と治療が望まれるものである.
一般的な臨床症状としては患肢の急性阻血症状で,急激な変色(蒼白またはチアノーゼ)と激痛をもつて発症し,同時に知覚鈍麻および運動麻痺を伴う.患肢は健肢に比して著しく冷たく,閉塞部以下の動脈搏動は全く触れない.いわゆる6P症状(Pain,Paralysis,Paresthesia,Paleness,Pu—Isetessness,Prostration)とよばれる,他疾患ではみられない顕著な症状を発するので,診断は容易である.
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