一般外科医のための形成外科手技・24
耳下腺部の手術と顔面神経の処理
波利井 清紀
1
Kiyonori HARII
1
1東京大学医学部形成外科
pp.1907-1913
発行日 1990年12月20日
Published Date 1990/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407900337
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はじめに
一般外科医のための形成外科手技シリーズを本誌に連載してすでに24回になる.この間,できるだけ形成外科専門医以外の外科医にも役立ちそうな手術手技や治療法を紹介してきた.
本連載の冒頭でも述べたように「形成外科はできるだけ組織をatraumaticに扱う」点で,基本的な手術用器具,縫合糸の類なども一般外科のものとは異なっているが,「手術を行う」という実際面においては多くの共通点がある.また,両科でそれぞれに同一の疾患の治療も行われることもあるが,案外一般外科医が不得意とするものに神経に対する処理がある.これは神経が圧挫や牽引といった外力により容易に麻痺を起こすので,気がつかないうちに麻痺を起こすといったにがい経験を持つためであろう.
ここでは両科にまたがって治療される耳下腺の腫瘍や外傷と顔面神経の処理を例にとり,末梢神経に対する形成手技を紹介する.
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