特集 保存的治療の適応と限界—外科から,内科から
肝嚢胞
外科から
内野 純一
1
,
佐藤 直樹
1
1北海道大学医学部第1外科
pp.1449-1454
発行日 1990年10月30日
Published Date 1990/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407900243
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各種画像検査の急速な進歩と普及により,肝内の小さい腫瘍性病変が鮮明に描出できるようになった.
充実性腫瘤は,発見後,肝癌,血管腫などとの鑑別を要するが,嚢胞性腫瘤ではその明瞭な画像から良性の先天性嚢胞と診断できるので,さらに検査を追加することは少ない.しかし,この嚢胞がその後どの程度まで増大し,いつ何を契機として臨床上問題となってくるのかは,必ずしも明確にされていない.
肝嚢胞の分類には,発生原因に基づくもの(Sonn-tag, Henson1),Debakeyら),病理形態学的に分けたもの(Jonesら2))などがあるが,本稿では寄生虫性肝嚢胞と非寄生虫性肝嚢胞の2つに大別して,それぞれの保存的療法の適応と限界を述べる.
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