特集 保存的治療の適応と限界—外科から,内科から
早期胃癌
外科から
比企 能樹
1
,
嶋尾 仁
1
,
小林 伸行
1
,
三重野 寛喜
1
,
榊原 譲
1
1北里大学医学部外科
pp.1381-1384
発行日 1990年10月30日
Published Date 1990/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407900226
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早期胃癌の外科的手術成績は,例外なく良好であり,いずれの施設で行われた場合でも普遍的に満足すべき結果が得られるようになった.したがって,これ以上の成績を上げるために他の方法を考える必要はないのではないか?との考え方も当然存在する.と同時に,さらに考え方を発展させるならば,これだけ優秀な成績が得られる要因はなにか?を考えてみる必要がある,早期胃癌の場合には,リンパ管侵襲,脈管侵襲の点において,癌の非再発要因のうえで有利な条件があることがあげられる.とすると,早期胃癌の外科的治療に必ずしも,広範なリンパ節郭清を伴う胃切除術を行う必要があるであろうかという問題提起がなされることは当然である.
この考え方をもとに,外科的な治療法として,早期胃癌の縮小手術1)が行われるようになった.これをつきつめていくならば,すなわち,胃癌の局所切除の考え方が成り立つことになる.
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