一般外科医のための形成外科手技・16
マイクロサージャリーの一般外科への応用—腸管移植を中心に
波利井 清紀
1
Kiyonori HARII
1
1東京大学医学部形成外科
pp.473-480
発行日 1990年4月20日
Published Date 1990/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407900076
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はじめに
マイクロサージャリーの発達とともに,多くの外科領域において手術手技が飛躍的に進歩した.これに対し,一般外科におけるマイクロサージャリーの導入は他領域に比べかなり遅れているのが現状で,末梢血管外科を専門にする人でさえ,裸眼による手縫い縫合や血管吻合器による方法を好む傾向にある.これは顕微鏡下の手術を特殊視するあまり,食わず嫌いになっているためとも思われる.少し意欲を出して練習する人にとっては,マイクロサージャリーは新らしい分野への第一歩となろう.特に,現在,形成外科領域で日常的に行われているマイクロサージャリーによる遊離組織移植は,一般外科領域においても新らしい可能性をもつものである1).
本稿では近年盛んに行われている遊離腸管移植を中心に,一般外科領域におけるマイクロサージャリーの臨床応用への可能性について述べる.
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