増刊号 2024年最新版 外科局所解剖全図—ランドマークの出し方と損傷回避法
Ⅰ.上部消化管
メタボリックサージェリーに必要な局所解剖
関 洋介
1
,
笠間 和典
1
Yosuke SEKI
1
1四谷メディカルキューブ 減量・糖尿病外科センター
pp.78-84
発行日 2024年10月22日
Published Date 2024/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407214691
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POINT
●肥満症に対する外科手術(減量・代謝改善手術,メタボリックサージェリー)では,胃癌手術のような剝離やリンパ節郭清といった“質的”困難さではなく,NAFLDによる肝臓の腫大や過剰な内臓脂肪,厚い皮下脂肪によるトロッカーの可動制限といった“量的”困難さが主たる問題となる.
●非肥満者に対する腹腔鏡下手術では,術中にトラブルが生じた場合,開腹移行という選択肢があるが,高度肥満者では開腹すると視野が悪化し,操作性が大幅に低下する.
●したがって,郭清のない単純胃切除術とみなして手術を行うと問題が発生する可能性があり,安全な手術を行うためには十分なトレーニングと経験とともに,開腹を避けるための技術と覚悟が求められる.
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