書評
—辻 順行(編)—肛門疾患診療の教科書[Web動画付]エキスパートが伝授する診断・治療
黒川 彰夫
1
1黒川梅田診療所
pp.1186
発行日 2024年10月20日
Published Date 2024/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407214674
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本邦においては,大腸疾患についての専門書や教科書は多く見られるが,肛門疾患に関する成書は非常に少ないのが現状である.日常診療では頻度の高い極めてありふれた疾病であるにもかかわらずである.結果,卒後研修のころから一般的に「痔」と呼んで軽んじて扱う傾向にある.その原因は,以前から肛門専門医の間で論じられてきたように,大学の医学教育や卒後研修の中で「肛門病学」が体系立てて指導されていない点にあるのみならず「肛門病学」の存在すら認められていない点にあるのではないだろうか.
過去にいくつかの専門書や教科書の分担執筆に携わった者として,今回の辻順行先生の編集された『肛門疾患診療の教科書』は,驚きや感動を感じた点があまた認められた.
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