書評
辻仲康伸(監修)「大腸肛門病ハンドブック」
小西 文雄
1
1自治医大さいたま医療センター・一般・消化器外科
pp.1695
発行日 2011年12月20日
Published Date 2011/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407103888
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このたび,医学書院から辻仲康伸氏の監修による『大腸肛門病ハンドブック』が出版された.本来,大腸疾患と肛門疾患の診断と治療は,歴史的に見ても一体となった一つの領域として取り組まれてきており,現在でもその必要性があると思われる.わが国においては,日本大腸肛門病学会がその要となる組織であり,大腸疾患と肛門疾患を包括してその臨床と研究に関する発展における重要な学会としての役割を果たしている.しかし,現在わが国では,大腸疾患と肛門疾患は専門とする医師が異なり,二つの独立した領域として診療体制が取られている傾向がある.
一方,欧米においては,現在に至るまで,大腸外科医は肛門疾患の治療も同時に行っていることが多く,癌の専門病院を除いては,両者を含めた幅の広い診療と研究が行われている.このような欧米における体制は,以前私が留学した英国のSt. Mark's Hospitalにおいても現在に至るまで,継続して行われており,同病院の外科医たちは大腸肛門病において幅の広い活動を展開している.
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