Japanese
English
臨床報告
腹腔内異物(針金)が腹腔内を移動し鼠径管内へ迷入するまでを追跡できた1例
Migration an intraabdominal foreign body(wire)from the abdominal cavity to the inguinal canal: a case report
板野 聡
1
,
谷口 信將
1
,
永久 成一
1
,
久保田 暢人
2
,
堀木 貞幸
1
,
寺田 紀彦
1
Satoshi ITANO
1
1寺田病院外科
2Gi外科クリニック阪神院
キーワード:
腹腔内異物
,
針金
,
移動
,
異物摘出術
Keyword:
腹腔内異物
,
針金
,
移動
,
異物摘出術
pp.1139-1143
発行日 2023年9月20日
Published Date 2023/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407214247
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要旨
症例は64歳の女性.8か月前に左下腹部痛で来院し,腹部CT検査で左下腹部の腹腔内に長さ約2 cmの線状の高濃度陰影を認めた.このため腹腔内異物と診断されたが,患者が手術を望まず経過観察としていた.3か月前の腹部CT検査では,異物が回盲部付近に移動しており,その後,左鼠径部の痛みで今回の来院となった.腹部CT検査で異物が左鼠径部の皮下に移動していることが確認されたため,異物摘出術を施行した.摘出された異物は直径0.3 mm,長さ2 cmの針金であった.異物の侵入経路は不明であるが,異物が腹腔内を移動した後,さらに鼠径管内に迷入するまでを追跡し摘出しえた症例を経験したので,文献的考察を加えて報告する.
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