増刊号 術前画像の読み解きガイド—的確な術式選択と解剖把握のために
Ⅳ 肝臓
肝癌—術前評価および蛍光ナビゲーション手術
西岡 裕次郎
1
,
長谷川 潔
1,2
Yujiro NISHIOKA
1
1東京大学医学部附属病院肝胆膵外科
2東京大学医学部附属病院人工臓器移植外科
キーワード:
術前画像評価
,
残肝予備能評価
,
ICG蛍光法
Keyword:
術前画像評価
,
残肝予備能評価
,
ICG蛍光法
pp.184-189
発行日 2022年10月22日
Published Date 2022/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407213906
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肝癌は原発性肝癌(肝細胞癌・肝内胆管癌)および転移性肝癌(大腸癌・神経内分泌腫瘍など)に大別されるが,そのいずれでも切除可能な場合には外科的肝切除が第一選択とされている.
外科的切除を計画するにあたって,まずその根治性を評価したうえで最適な術式を考える必要がある.肝切除の場合は,対象となる腫瘍の正確な質的診断が正確な切除範囲の計画に必要である.例えば,肝細胞癌では経門脈的肝内転移という特性を考慮して支配門脈域の系統的切除を行うことが原則であるが1〜3),被膜をもつという特性から脈管の圧排のみならこれを剝離することが許容される.その一方で,大腸癌肝転移の場合には系統的切除の優位性は特に示されておらず部分切除が許容される一方4),脈管に接している場合にはこの合併切除を要する可能性が高くなる,といった特徴がある.また,多発病変のことが多いため小病変を見逃さないことも非常に重要である.
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