増刊号 術前画像の読み解きガイド—的確な術式選択と解剖把握のために
Ⅲ 小腸・大腸
良性疾患
大腸憩室炎
小練 研司
1
,
森川 充洋
1
,
五井 孝憲
1
Kenji KONERI
1
1福井大学第1外科
キーワード:
大腸憩室炎
,
画像診断
,
腹腔鏡手術
Keyword:
大腸憩室炎
,
画像診断
,
腹腔鏡手術
pp.135-140
発行日 2022年10月22日
Published Date 2022/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407213898
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大腸憩室症は消化器外科診療において日常的に遭遇する疾患であり,画像診断の習熟と治療方針の決定,外科的治療についての知識は必須である.本邦の大腸憩室保有は男性にやや多く加齢によって増加するとされ,大腸内視鏡検査やCT colonographyを用いた検査を行うと中高年で30%前後に憩室が指摘される1,2).欧米では保有割合はさらに高く,Peeryら3)は平均年齢55歳で60%と報告している.本邦では憩室保有者のうち20%程度に腹部症状(疼痛,腹部膨満,便通異常)を認め,10%程度で憩室炎や憩室出血を生じるとされる4).日本消化管学会が作成した「大腸憩室症ガイドライン2017年版」(以下,ガイドライン)によれば,膿瘍などの合併症を有する大腸憩室炎の死亡率は2.8%,合併症がない群の死亡率は0.2%と記載されており5),良性疾患であるが死亡率は決して低くないことに留意する必要がある.
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