Japanese
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臨床報告
直腸癌が併存した主膵管狭窄を伴う小型のsolid type serous cystadenomaの1切除例
Resection of a serous cystadenoma with main pancreatic duct stricture in case of rectal cancer
南 貴之
1
,
久留宮 康浩
1
,
世古口 英
1
,
菅原 元
1
,
井上 昌也
1
,
加藤 建宏
1
,
成田 道彦
2
Takayuki MINAMI
1
1豊田厚生病院外科
2豊田厚生病院病理診断科
キーワード:
serous cystadenoma
,
solid type
,
主膵管狭窄
Keyword:
serous cystadenoma
,
solid type
,
主膵管狭窄
pp.876-881
発行日 2022年7月20日
Published Date 2022/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407213781
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要旨
症例は79歳女性.直腸癌の精査目的に行った腹部造影CTで膵尾部に多血性の類円形充実性腫瘤と尾側膵管の拡張を指摘された.MRIではT1・T2強調画像で低信号と淡い高信号を呈し,超音波内視鏡検査(EUS)では囊胞構造のない低エコー腫瘤として描出された.以上の所見より,主膵管狭窄を伴う膵神経内分泌腫瘍と直腸癌の診断で腹腔鏡下膵体尾部切除術と直腸切断術を施行した.切除標本肉眼所見では,膵腫瘍は囊胞構造のない径15 mmの充実性腫瘍であった.病理組織検査でsolid type serous cystadenoma(SCA)と診断された.膵の多血性充実性腫瘍の鑑別には神経内分泌腫瘍だけでなく,solid type SCAも念頭に置くべきである.さらに,小型のsolid type SCAであっても,膵管癌の特徴である主膵管狭窄を呈することがある.
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