FOCUS
「胆道癌取扱い規約 第7版」改訂のポイント
佐野 圭二
1
Keiji SANO
1
1帝京大学医学部外科学講座
pp.1554-1557
発行日 2021年12月20日
Published Date 2021/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407213573
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに—胆道癌取扱い規約の歴史
2021年3月に胆道癌取扱い規約(以後,当規約)が7年4か月ぶりに改訂された1).今回が第7版とその改訂が重ねられてきたが,第1版は今からさかのぼること約40年前,1981年4月に出版された.その後,第2版(1986年4月),第3版(1993年1月),第4版(1997年9月),第5版(2003年9月)と改訂が行われ,前回の第6版改訂は2013年11月であった.
各改訂作業は,わが国の胆管癌の罹患数の多さに加えてすぐれた胆道外科医・病理医の情熱により,緻密な手術と病理診断,そして全国的な胆道癌登録による予後調査を基として日本独自に行われてきた.病理診断の細分化,複雑化が進むにつれ,実用性と汎用性を重んじるUICC(Unio Internationalis Contra Cancrum)のTNM分類との乖離が進み,わが国の胆道癌の優れた治療成績にもかかわらず国際舞台での発言力が弱まってしまった.そこで前回の当規約第6版2)では,それまでの日本独自の規約を定めていた当規約から,UICC第7版3)にほぼ準拠し,肝外胆管の区分,局所進展度,リンパ節転移,進行度分類,根治度評価などを分類したことで大きく変化した.
Copyright © 2021, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.