Japanese
English
臨床報告
PDT施行後の胸部食道癌遺残に対しサルベージ手術を施行した1例
A case of salvage esophagectomy for locally remnant thoracic esophageal cancer after definitive CRT and PDT
長谷川 巧
1
,
鈴木 浩輔
1
,
衛藤 剛
1
,
板井 勇介
1,2
,
柴田 智隆
1
,
猪股 雅史
1
Takumi HASEGAWA
1
1大分大学医学部消化器・小児外科学講座
2大分大学医学部診断病理学講座
キーワード:
食道癌
,
PDT
,
サルベージ療法
Keyword:
食道癌
,
PDT
,
サルベージ療法
pp.1558-1562
発行日 2021年12月20日
Published Date 2021/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407213574
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要旨
患者は50代,男性.胃癌に対する胃全摘術後の上部消化管内視鏡検査で胸部上部食道癌を認め,cT1bN0M0 Stage Ⅰと診断した.手術を勧めたが希望されず,根治的化学放射線療法(CRT)を施行した.CRT後の局所遺残に対し,患者希望によりphoto dynamic therapy(PDT)を施行した.PDT 2か月後に局所遺残を認め,食道部分切除術を施行した.食道口側は鎖骨,肛門側は大動脈弓の高さで食道を切除し,遊離空腸再建を行った.食道周囲組織はPDTを含めた集学的治療の影響で,硬く線維化を認め,さらに主病変の外膜側に気管との強固な癒着を認めるも,安全に剝離は可能であった.PDT後のサルベージ手術の報告はほとんどなく,PDT後であっても根治を目指したサルベージ手術は有用な選択肢となりうる.
Copyright © 2021, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.