FOCUS
「膵癌取扱い規約 第7版」改訂のポイント
村田 泰洋
1
,
岸和田 昌之
1
,
伊佐地 秀司
1
Yasuhiro MURATA
1
1三重大学肝胆膵・移植外科
pp.604-616
発行日 2017年5月20日
Published Date 2017/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407211618
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膵癌取扱い規約第7版での主な改訂項目は,①腫瘍占拠部位の定義(膵体部と尾部の境界は大動脈の左側縁とする),②T分類,③膵外神経叢の解剖学的再検討,④N分類(群分類から領域リンパ節内の転移個数による分類),⑤Stage分類(治療方針に重点を置き,UICC第7版との整合性を図る),⑥病理組織学的分類(WHO分類との整合性を図る),である.新規項目としては「切除可能性分類」が新たに加えられ,正確な切除可能性を評価するうえで重要であるCT診断指針について詳細に言及し,具体的な画像所見を多数示した.また,近年の膵癌の病理組織診断における超音波内視鏡下穿刺吸引細胞診(EUS-FNA)の普及,術前化学療法,化学放射線治療の進歩に伴い,病理所見の項目では細胞診・生検診の指針,術前治療後の組織学的評価についても詳細な記載を追加した.本改訂により,本規約が膵癌の診療に従事する誰もが簡便でわかりやすく,信頼性のあるものとなり,本規約がさらに広く普及し,膵癌の治療成績の向上に役立つことが望まれる.
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