FOCUS
肝内胆管癌診療ガイドラインの概要
大塚 将之
1
,
古川 勝規
1
,
高屋敷 吏
1
,
久保木 知
1
,
高野 重紹
1
,
鈴木 大亮
1
,
酒井 望
1
,
細川 勇
1
,
三島 敬
1
,
小西 孝宣
1
,
西野 仁惠
1
Masayuki OHTSUKA
1
1千葉大学大学院医学研究院臓器制御外科学
pp.1411-1414
発行日 2021年11月20日
Published Date 2021/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407213543
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はじめに
肝内胆管癌は歴史的に原発性肝癌に分類されているが,2005年に初めて発刊され,現在第4版まで版を重ねている肝癌診療ガイドラインは肝細胞癌のみを対象としている1).一方,肝内胆管癌は“胆道から発生する癌”という意味では胆道癌とも考えられるが,2007年に初めて発刊された胆道癌診療ガイドラインでは肝門部領域胆管癌から下流の十二指腸乳頭部癌までを対象としてきた2).したがって,今まで肝内胆管癌を扱ったガイドラインは存在していなかった.しかし,肝内胆管癌は発生頻度が低いわりに多彩な臨床像をとることが知られ,日常診療において遭遇した場合,その扱いに悩む場面も少なくなく,診療における,ある程度の道筋と情報提供を意図した診療ガイドラインの整備は重要な課題の一つであったと考えられる.
そのような背景のもと,日本肝癌研究会が中心となり,久保正二先生(大阪市立大)を委員長とした肝内胆管癌診療ガイドライン作成委員会のもと,2020年12月に肝内胆管癌診療ガイドラインが上梓された3).本稿では,その概要について解説する.
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