私の工夫
内視鏡的大腸ポリープ切除術におけるpre-clipping法
板野 聡
1
,
谷口 信將
1
,
堀木 貞幸
1
,
寺田 紀彦
1
Satoshi ITANO
1
1寺田病院外科
キーワード:
内視鏡的大腸ポリープ切除術
,
予防的止血術
,
Ⅰp型ポリープ
,
pre-clipping法
Keyword:
内視鏡的大腸ポリープ切除術
,
予防的止血術
,
Ⅰp型ポリープ
,
pre-clipping法
pp.1252-1253
発行日 2020年10月20日
Published Date 2020/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407213093
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【出血予防をめぐって】
内視鏡的大腸ポリープ切除術を施行するにあたっては,出血や穿孔といった合併症のリスクがあり,種々の対策が検討されている1〜4).ポリープの大きさとタイプによって,安全に切除できるかが判断されるが,なかでもⅠp型では,茎で切断できれば頭部が大きいものでも内視鏡的に切除できる可能性が大きいと思われる.
一方で,ポリープ頭部が大きいものでは,それに比例して茎が太いものが多く,流入する血管も太くなり内視鏡的切除後の出血のリスクが増大する.野崎ら5)は,大腸ポリペクトミーでの出血頻度は平均2%,3 cm以上のポリプでは5%,輸血を必要とする大出血は0.4〜0.9%にみられるとしている.このため,切除前に出血を予防する器具として留置スネアが考案されており5),切除後では出血が起こった場合や後出血予防としてクリップを用いる手技も実施されている6).
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