Japanese
English
臨床報告
Roux-en-Y法で挙上した空腸内に24年後に発症した真性腸石の1例
A case of true enterolithiasis in the lifted jejunum developing 24 years after an operation involving the Roux-en-Y procedure
板野 聡
1
,
寺田 紀彦
1
,
堀木 貞行
1
,
遠藤 彰
1
,
谷口 信將
1
Satoshi ITANO
1
1寺田病院外科
キーワード:
腸石
,
真性腸石
,
Roux-en-Y法
Keyword:
腸石
,
真性腸石
,
Roux-en-Y法
pp.1067-1070
発行日 2012年8月20日
Published Date 2012/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407104191
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要旨
症例は78歳,男性.1986年9月に胆囊炎,総胆管結石症にて胆囊摘出術およびRoux-en-Y法による総胆管空腸吻合術を受けた.2010年7月に右季肋部痛を訴え来院し,疼痛部位に圧痛と筋性防御を認めた.腹部US検査と腹部CT検査で同部の腹壁直下の腸管内に3cm径の腫瘤陰影を認め,挙上空腸内の結石と診断し外科的処置を行った.摘出された結石は5.8×3.5×3.5cmの円柱形で,主成分は脂肪酸カルシウムであり,真性腸石と診断された.腸石は十二指腸以下の腸管内結石のことで,なかでも真性腸石は稀といわれており,盲囊状態の腸管や腸管狭窄による腸管内容のうっ滞により発生すると考えられている.質的診断は困難で,治療は結石の摘出と原因の除去が原則であり,予後は良好である.
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