特集 膵癌診療ガイドライン改訂を外科医はこう読み解く—ディベート&ディスカッション
テーマ2:ディベート
大動脈周囲リンパ節のサンプリングが陽性だった—切除を行う vs 行わない
山本 智久
1
,
里井 壯平
1
,
山木 壮
1
,
坂口 達馬
1
,
山本 宣之
1
,
廣岡 智
1
,
高井 惣一郎
1
,
関本 貢嗣
1
,
岡村 行泰
2
,
大木 克久
2
,
杉浦 禎一
2
,
伊藤 貴明
2
,
山本 有祐
2
,
蘆田 良
2
,
上坂 克彦
2
Tomohisa YAMAMOTO
1
,
Yukiyasu OKAMURA
2
1関西医科大学外科
2静岡県立静岡がんセンター肝胆膵外科
キーワード:
大動脈リンパ節転移
,
術後化学療法
,
膵癌
,
大動脈周囲リンパ節転移
,
Conversion surgery
Keyword:
大動脈リンパ節転移
,
術後化学療法
,
膵癌
,
大動脈周囲リンパ節転移
,
Conversion surgery
pp.659-667
発行日 2020年6月20日
Published Date 2020/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407212956
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膵癌の根治切除術において,術中迅速検査で大動脈周囲リンパ節転移陽性と診断された患者に対する切除の意義については,いまだ不明な点が多い.「切除を行う」観点から述べると,転移陽性とされた患者は,転移陰性の患者と比較し有意に予後不良であるが,転移陽性例でも術後補助化学療法を行うことによって予後が改善している報告が散見される.大動脈周囲リンパ節郭清を含めた拡大郭清の意義は認められないものの,大動脈周囲リンパ節転移陽性と診断された場合でも標準的切除を行い,補助化学療法を施行することが予後改善の鍵となりうる.
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