坂の上のラパ肝・胆・膵・5
腹腔鏡下肝左葉切除術
大目 祐介
1
,
本田 五郎
1
Yusuke OME
1
1新東京病院 消化器外科
pp.602-610
発行日 2020年5月20日
Published Date 2020/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407212940
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Point
◆左葉切除術では,背側からArantius管,中肝静脈,肝表のdemarcation lineの3つが正しい切離面を構成するランドマークである.
◆左Glisson茎をArantius管の腹側で離断することで,右葉や尾状葉から流入する胆管(左肝管に合流する後区域胆管など)の損傷を回避できる.
◆Arantius管の腹側の肝実質を先行して離断し,左Glisson茎根部の頭側にスペースを確保しておくことにより,左Glisson茎の確保と切離が容易になる(Arantius-first approach).
◆左Glisson茎を離断した後に,左葉を腹側に持ち上げると,中肝静脈は根部付近から左Glisson茎付近まで比較的容易に露出できる.
◆Arantius-first approachでは中肝静脈を背側から露出し,その際,根部側から末梢側に向かってデバイスを動かすことを原則とするが,肝実質離断は尾側腹側の肝辺縁から頭側に向かって本を開くようなイメージで進める.
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