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はじめに
2019年12月に中国・武漢より発生した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は,急激な勢いで感染者が増加し,2020年3月11日,世界保健機関(WHO)はパンデミックにあたると発表,4月1日12:00現在,厚生労働省報道発表資料によると,本ウイルスの感染者数は全世界で849,876人,死亡者は41,506人となっている.
新型コロナウイルス感染症は2020年2月1日から感染症法第6条第8項の指定感染症に定められている.原則として特定・第一種・第二種感染症指定医療機関での診療が義務づけられている.当センターは,県内唯一の第一種感染症指定医療機関であり,和歌山市内唯一の第二種感染症指定医療機関でもあるため新型コロナウイルス感染患者や感染既往患者が受診し,手術を受ける可能性もある.
新型コロナウイルス陽性患者に対する手術について各施設からの臨床に応じた具体策やマニュアルなどの公開がないなか,当センターは本ウイルス陽性歴(手術決定時には陰性)のある患者の手術を受け入れることになった.手術に先立ち,感染症内科医師,感染管理認定看護師,麻酔科医師,執刀医,手術看護認定看護師と多職種シミュレーションを行い,手術センターマニュアルを作成した(本稿末に資料として提示).さらに患者手術後に課題を振り返り内容を更新した.なお,本マニュアルは,新型コロナウイルス患者への手術の際の対応法として最も合理的であると証明されたものではないが,現在,喫緊の課題として臨床に基づいた同様のマニュアル作成に取り組んでいる施設も多いと思われるため,1つの資料として,当センターで作成したマニュアルを紹介することとした.本マニュアルへのご意見などをお寄せいただけたら幸いである.
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