- 有料閲覧
- 文献概要
当院は2011年に慢性期医療を担っていた機能を急性期一般に転換,2013年に前身の琴似ロイヤル病院からイムス札幌消化器中央総合病院に名称変更しました.病院名が示す通り消化器疾患の急性期治療を主とする病床数183床の総合病院に機能転換し,名実とも板橋中央病院をはじめとするイムスグルーブの北海道における急性期拠点病院となりました.したがって外科診療も消化器領域を中心に据え,北海道大学消化器外科Ⅱ(旧第二外科)医局の支援を受け,現在6名の常勤医師体制となっています.当科は北海道大学の関連施設でもありますが,在籍医は出身大学や関連医局の枠にとらわれず構成されており皆その専門性をいかんなく発揮しています.6名の常勤医が標榜する資格の内訳としては,全員が外科専門医(学会指導医3名),消化器外科専門医5名(学会指導医3名),消化器内視鏡外科技術認定医1名,消化器病専門医3名(指導医2名),肝胆膵外科高度技能指導医1名等々(重複あり)となっています.
当院消化器内科との密な連携,他の医療機関からの診療依頼や救急要請を断らない姿勢,組織横断的にコメディカルも含めたチーム医療の実践,知名度・信頼度向上のための事務方を中心とする草の根的営業努力などにより,まさにゼロからのスタートであった年間手術件数も年ごとに増加しており,2019年度は600件に迫る勢いです(2019年10月31日現在501例).症例数の増加に対応するべく2017年1月には手術棟を新築増設し,それまでの1室から3室に手術室を拡充,常勤麻酔科医師を2名体制としさらに手術体制の強化を行っています.また手術症例全体の1/4程度が臨時・緊急手術であることも特徴の1つです.2018年度の手術内容の主な内訳は,大腸直腸137件,胆石症112件,アッペ73件,ヘルニア51件,肝胆膵悪性45件,イレウス・腹膜炎44件,胃・十二指腸31件,肛門疾患27件などとなっています.また全腹部手術症例数に対し,腹腔鏡下手術が約80%と比較的高い割合で施行されています.これは良性・悪性疾患にかかわらず腹腔鏡によるアプローチを基本とし可及的低侵襲手術に努めている結果と考えています.もちろん悪性疾患に対してはその適応を明確にして根治性を担保することや,緊急手術などでは合併症の有無や手術時の全身状態などを考慮して慎重に適応を決定していることは言うまでもありません.日々の日常診療や手術に加え,全国・地方会の別なく学会参加,学会発表,論文投稿などの学術活動も積極的に行っています.
Copyright © 2020, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.