増刊号 産婦人科処方のすべて─すぐに使える実践ガイド
産科編
X 産褥期処置・異常産褥
産後抗菌薬投与/産褥熱
田口 彰則
1
,
木戸 浩一郎
1
,
綾部 琢哉
1
1帝京大学産婦人科
pp.346-348
発行日 2014年4月20日
Published Date 2014/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409103759
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疾患の概要
産褥熱とは産褥期に生じた発熱性疾患のうち,産後24時間以降,10日以内に2日以上38℃以上の発熱が生じた場合とされる.通常,膀胱炎・腎盂腎炎などは含まず,臨床的には子宮を中心とした骨盤内感染症とほぼ同義語として使用される.分娩の際に,主として上行性に侵入した細菌が会陰,腟,胎盤剝離面などの子宮内腔において増殖して成立する.分娩環境の清潔化や周産期処置の清潔操作が徹底されている現代の日本のような環境では少なくなっている.ただ根絶されているわけではなく,劇症型A群溶血性連鎖球菌によるtoxic shock syndrome(TSS)などの敗血症性の全身的な産褥熱も稀ながらみられるため,周産期管理上,注意を要する.
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