Reduced Port Surgery—制限克服のための達人からの提言・20
RPSによる脾摘術
三澤 健之
1
Takeyuki MISAWA
1
1東京慈恵会医科大学附属柏病院肝胆膵外科
pp.991-998
発行日 2019年8月20日
Published Date 2019/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407212574
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はじめに
脾は胸郭内にあって左横隔膜直下に位置するため開腹においては視野が深く手術が難しい.一方で,実質臓器であることから摘出してしまえば再建操作は不要である.したがって深部にまで到達可能かつ拡大視効果を有する鏡視下手術に最適な標的臓器の1つと考えられる.実際,1991年にDelaitreら1)によってはじめて報告された腹腔鏡下脾摘出術(laparoscopic splenectomy:LS)は瞬く間に普及し,脾疾患や血液疾患に対するゴールドスタンダードとなった.その後,reduced port surgery(RPS)の登場2)により,LSにもこれが応用され,単孔式腹腔鏡下脾摘術(single-incision laparoscopic splenectomy:SILS)が行われるようになった3).しかしながらその手技は容易とはいいがたく,現時点では他のRPSと同様に,限られた施設において整容性を重視する患者に対してのみ行われているのが実情であろう.
当科では門脈圧亢進症や巨脾症例を除いて脾臓摘出術にはSILSを第一選択としているため,その手技を中心に解説する.
*本論文中、[▶動画]マークのある図につきましては、関連する動画を見ることができます(公開期間:2022年8月末まで)。
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