特集 〈研究室で役に立つ細胞株〉
Ⅰ.上皮細胞株
泌尿生殖器系上皮細胞
腎上皮細胞
アフリカミドリザル:VERO
安村 美博
1
1獨協医科大学微生物学教室
pp.402-403
発行日 1992年10月15日
Published Date 1992/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425900405
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■樹立の経緯
アフリカミドリザル(Cercopithecus aethiops)の腎皮質由来。樹立者は安村美博。樹立の主目的は腫瘍ウイルスSV40のin vitroの宿主細胞系を作りあげること,当時はポリオ生ワクチンにSV40の混在が問題化しており,SV40検出には輸入アフリカミドリザルの腎細胞培養が必要であった。その度ごとにサルを殺さないですますためには,細胞株の樹立以外の選択はなかった。樹立までの過程の詳細は文献1,2)を参照のこと。培養開始は1962年3月27日。ただ,将来の無血清培地増殖株の有用性を考え,終始血清量を2%以下で細胞を増殖させることに力点がおかれた。命名の由来はエスペラントのアクロニウムである。VERO/vέ:ro/n.〔Esperanto vero真理<verda (-simia) renoミドリの(サルの)腎〕。そして「“真理”は万人によって求められることを自ら欲し」の意に沿い,樹立者のをはなれ自由使用に供された。
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