Japanese
English
臨床報告
外科的治療が有効であった食道癌術後の単発腎転移の1例
A resected case with solitary renal metastasis after esophageal cancer
瀧井 麻美子
1
,
竹村 雅至
1,2
,
海辺 展明
2
,
大嶋 勉
1
,
笹子 三津留
2
,
篠原 尚
2
Mamiko TAKII
1
1南大阪病院消化器・内視鏡外科
2兵庫医科大学上部消化管外科
pp.245-248
発行日 2018年2月20日
Published Date 2018/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407211950
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要旨
食道癌は根治切除後にも高率に再発し,再発後の予後は不良である.血行性再発として腎臓転移は稀である.食道癌術後に単発の腎転移をきたし,集学的治療により長期生存中の症例を報告する.症例は68歳,男性.胸部中部食道癌に対し,術前化学療法後に根治手術を施行し,病理結果はpT3N3M0ly0v0 Stage Ⅲであった.術4か月後の造影CTとPET/CT検査で右腎転移を認めた.FP療法施行後に右腎摘出術を施行し,病理診断で扁平上皮癌と診断された.術後は5-FU+CDGP療法を施行し,3年3か月経過している.食道癌術後の血行性再発例の予後は悪く,多くは外科的治療の適応とならない.単発の血行性転移例では外科的治療の適応となりえるが,適応については今後の検討課題である.
Copyright © 2018, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.