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特集 胃癌根治手術の問題点
Ⅱ.胃癌拡大根治手術の限界について
単発肝転移をどう取扱うべきか
Indication of the extended radical operation for gastric cancer with solitary hepatic metastasis
陣内 伝之助
1
,
東 弘
1
,
伊藤 英太郎
1
,
野口 貞夫
1
,
星野 嘉明
1
Dennosuke JINNAI
1
1大阪大学医学部第2外科教室
pp.1875-1879
発行日 1971年12月20日
Published Date 1971/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407205497
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まえがき
胃癌の治療成績向上のためには,早期発見が重要なことは論をまたないが,進行胃癌がなお減少の傾向をみせない現在にあつては,進行胃癌の治療方法を探究することはわれわれ外科医にとつてきわめて重要な問題である.そのためには手術そのものの限界打破に努めるとともに,制癌剤・放射線・免疫療法などの併用療法を駆使することもまた重要である.
胃癌の進展にはいろいろな因子が関与している.すなわち,漿膜侵襲から続発する他臓器への直接浸潤,腹膜播種,あるいは血行性・リンパ行性転移である.これらの予後を左右する因子が複雑に組合わさつた胃癌に対して,根治をめざすべくいろいろな手術術式がくふうされ,またその適応と限界についても検討がなされてきた.いわゆる拡大根治手術(R3の手術)もその1つである.今回は,血行性肝転移があった場合それをどのように取扱うかについて私の考えを述べてみたい.
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