増刊号 手術ステップごとに理解する—標準術式アトラス
7 ヘルニア
腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術—TEP法
川原田 陽
1
,
佐藤 大介
1
,
山本 和幸
1
,
森 大樹
1
,
花城 清俊
1
,
芦立 嘉智
1
,
櫛引 敏寛
1
,
横山 啓介
1
,
福田 純己
1
,
才川 大介
1
,
鈴木 善法
1
,
北城 秀司
1
,
奥芝 俊一
1
Yo KAWARADA
1
1国家公務員共済組合連合会 斗南病院外科
pp.319-324
発行日 2017年10月22日
Published Date 2017/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407211829
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Step1
皮膚切開と腹膜外腔への到達
通常,腹直筋前鞘を切開し,腹直筋と腹直筋後鞘の間の空間に到達する.腹膜外腔アプローチ(totally extraperitoneal repair:TEP)の操作のなかで最もイメージがつきにくいStepである.当科では,先に腹腔内を観察してヘルニアの診断を行ったあとに,患側の腹直筋前鞘を横切開している.現在は同部にプラットホームを挿入してブラインド操作のない剝離を行っている1).同部の剝離をoptical法で行う方法もある2).
①臍を縦切開し,臍直下の腹壁欠損部から5 mmスコープを挿入して腹腔内を観察し,ヘルニアの診断を行う.なお,この孔は閉創時までそのままにしておき,術中に腹膜を損傷して気腹になった場合は,この孔からネラトンチューブを挿入して腹腔内の脱気を行い,視野を確保する.
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