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あとがき
桑野 博行
pp.1280-1280
発行日 2017年10月20日
Published Date 2017/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407211776
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医学部の教員のみならず,医療に携わる者の使命は,「教育」「研究」「診療」であることは言うまでもありません.また「研究」と「診療」との関係を考えると,「トランスレーショナルリサーチ」に象徴される両者の密な連携が重要であり,その双方向的展開,すなわち,基礎的「研究」の成果を「臨床」へ,また「臨床」における課題を基礎「研究」のテーマとして捉えることが求められております.そしてその「科学性」もしくは「科学的価値」を最終的には臨床の現場へ還元することが大きな命題であります.
ここで「臨床研究」ということに目を向けますと,国際的に,またわが国においても,はかり知れない夥しい数の研究が施行され,また,現在も遂行,計画されております.ここで,これらの研究の「科学的」価値ということから考えますと,その対象の数の大きさ,およびその対象の「均一性」が高ければ高いほど,そして当然,そこから導かれる仮説もしくは命題の「例外」が少なければ少ないほど,すなわちp値が低いほど,一般にはそのスタディの科学的評価は高くなるでしょう.in vitro, in vivoの実験もそうですが,臨床研究においてもその対象の「均一性」は重要で,臨床研究の対象も一定の条件のもとにeligibility criteriaが設けられています.そのような科学的価値の高い成果がエビデンスとして,ガイドラインなどを通して診療行為にその根拠として反映されています.
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