--------------------
あとがき
桑野 博行
pp.1424-1424
発行日 2014年11月20日
Published Date 2014/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407200135
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
わが国におけるさまざまな学会において英文誌が刊行されており,その評価の一つの因子であるImpact Factor(I.F.)もその多くで向上する傾向にあることは,各々の学会関係者,就中,英文誌の編集に携わっている方々の多大なるご尽力の賜物であろう.またこれら学会英文誌において,「Case Report」を掲載する雑誌を別に発刊する学会も臨床の学会を中心に増してきている.日本外科学会においても「症例報告は,特に臨床医や研究者が個々の経験や新しい治療法を報告するという教育的観点から,外科手術の発展に重要な役割を担ってきました.そのため,貴重な症例報告の出版を促し,臨床教育に貢献することを目的として,新規Case Report誌として『Surgical Case Reports』を発刊することにいたしました」(日本外科学会ホームページより)として2015年1月より出版が開始される予定である.原著論文や総説に比して,引用される機会が一般的には少ない症例報告を分離することにより,元来の英文誌のI.F.の上昇を図るという一面もあるが,一方,若き医師が症例報告を英文で発表する場が,いよいよ少なくなっている現況においては,その場の提供としても「Case Report」誌の発刊はきわめて意義深いものと考える.
本「臨床外科」も含め,外科系学会会誌や雑誌において,和文の症例報告についても,掲載のハードルがかなり高くなっている.いわんや英文の「Case Report」は言わずもがなである.
Copyright © 2014, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.