FOCUS
NCDにおけるQuality Control
掛地 吉弘
1,3
,
瀬戸 泰之
2,4
Yoshihiro KAKEJI
1,3
1神戸大学大学院外科学講座食道胃腸外科学分野
2東京大学大学院消化管外科学・乳腺内分泌外科学
3日本消化器外科学会データベース委員会
4日本消化器外科学会
pp.1248-1253
発行日 2017年10月20日
Published Date 2017/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407211768
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はじめに
わが国における外科系医療の現状を把握するため,日本外科学会,日本消化器外科学会をはじめとして専門医制度をもつ10の外科系諸学会が協力して「一般社団法人National Clinical Database」(以下,NCD)を2010年に立ち上げて早6年が過ぎた.専門医制度と連動した手術症例の入力は2011年に開始され,初年度は1,172,579例が登録された.わが国で一般外科医が行っている手術の95%以上をカバーするとされ,2015年の登録数は1,717,186例であった.2015年までの5年間で700万件を越える手術情報が集積されており,巨大なデータベースが構築されている.登録施設も増え続け,2017年5月時点で4,967施設が参加している.忙しい日常診療の合間に,NCDから認証を受けた外科医やデータマネージャーにより,インターネットを介して中央のデータサーバーにデータ登録が行われる.NCDデータの品質を保ち,精度の高い情報を発信し続けるため,日本消化器外科学会ではデータベース委員会を設置し,フィードバック機能やAnnual Reportの公開などに取り組んでいる.本稿では,NCDデータのQuality Control(品質管理)の重要性を解説し,現在の取り組みを紹介する.
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