今月の主題 Internal Quality Control
巻頭言
internal quality controlの再認識
片山 善章
1
Yoshiaki KATAYAMA
1
1国立循環器病センター臨床検査部
pp.361-365
発行日 1997年4月15日
Published Date 1997/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542903284
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internal quality controlの管理事項
臨床検査における精度管理(quality control)は,広い意味では患者試料を採取する時点(採血時点,採血方法,採血器具などの条件が加わる)から始まるのであるが,一般的にQCとは患者試料が検査室に提出されてからの管理を表す場合が多く,特にコントロール血清,あるいはプール血清など,いわゆるモニター試料を用いて分析装置の分析状態を管理する統計学的精度管理(satis-tically quality control;SQC)が行われている.しかしSQCは図1に示すように,SQCを行う以前の管理事項,①試料採取,試料保存の条件管理,②分析機器の保守管理,③試薬管理,④技術水準の向上,が十分に管理されていなければ,SQCは効力を発揮しないのである.したがってSQC以前の管理事項を含めたQCを総合的精度管理(total quality control:TQC)と言い,TQCの実施ができてこそ,本来のQC (内部精度管理,外部精度管理)を行う価値が認められるのである.
本稿ではそのQCの中の内部精度管理(inter-nal quality control: IQC)を取り上げ,その重要性を実例を挙げて再認識したい.
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