昨日の患者
日々の生活を愛おしむ
中川 国利
1
1宮城県赤十字血液センター
pp.1108
発行日 2017年9月20日
Published Date 2017/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407211736
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- 文献概要
生来健康であった人が突然癌に罹患し,しかも術後に再発した場合,奈落の底に落とされる.過酷な宿命に耐え,常に前向きに生きた患者さんを紹介する.
Hさんは30代前半の乳癌患者であった.キャリアウーマンとして日々の仕事に邁進するとともに,週末には山に登ることを趣味としていた.右乳房のしこりを主訴に来院し,精査の結果は乳癌であった.突然の癌告知に驚愕しながらも,手術,そして癌化学療法を受けた.そして肺や骨に転移をきたしながらも,病室で語ったHさんの前向きな言葉が思い出される.
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