Japanese
English
臨床報告
急速な進行をきたした小腸平滑筋肉腫の1例
A case of leiomyosarcoma of small intestine with rapid progression
金兒 博司
1
,
濱田 賢司
1
,
田岡 大樹
1
,
大倉 康生
1
,
大森 隆夫
1
,
伊藤 貴洋
1
Hiroshi KANEKO
1
1鈴鹿中央総合病院外科
キーワード:
小腸腫瘍
,
平滑筋肉腫
Keyword:
小腸腫瘍
,
平滑筋肉腫
pp.786-791
発行日 2015年6月20日
Published Date 2015/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407210791
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要旨
症例は66歳,男性.貧血と便潜血陽性にて精査を行ったが異常なく,一旦経過観察となった.7か月後のCTで,小腸壁外に突出する造影不均一な約9 cm大の腫瘍を認めた.小腸造影では上部小腸に壁不整像と造影剤の腸管外漏出を認め,壊死による小腸腫瘍内への穿通と診断し手術を施行した.空腸に存在した壁外性腫瘍は骨盤底と強固に癒着し,直腸腹側面および膀胱底部に多数の播種結節を認めたため,小腸部分切除のみを施行した.腫瘍は固有筋層を主座に紡錘形細胞の充実性増生を認め,免疫組織化学染色ではα-SMA,ビメンチンが陽性,KIT,CD34などは陰性で小腸平滑筋肉腫と診断した.しかし,その後急速に遺残腫瘍が増殖し,直腸閉塞,水腎症を併発し,術後3か月目に死亡した.小腸平滑筋肉腫は稀な疾患で診断も困難であるが,極めて悪性度が高く,臨床的に注意を要する.
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