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特發性血小板減少症と摘脾に就て
友田 正信
1
,
市吉 親夫
1
1九州大學醫學部第二外科教室
pp.29-30,35-40
発行日 1949年2月20日
Published Date 1949/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407200410
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緒言
特發性血小板減少症(ウェルホーフ氏紫斑病)はWerlhof(1740)に依つて初めて報告され,獨立の一疾患として出血を主要症候とする他の多くの疾患から區別せられた。本症は血小板減少,皮下及び粘膜出血,出血時間の延長,血餅凝縮性の缺除,ルンペル・レーデ氏現象陽性等をその主要徴候とするものであるが,Frankは特に本症の症候中血小板減少を以て主徴と見做し,本症をEssentielle Thrombopenieと名付けた。
本症に對する療法として脾臓摘出を初めて行つたのはKazuelson(1916)で,同氏が其效果の顯者である事を報告して以來,歐米に於てに盛んに脾臓摘出が行はれ,其治驗例の報告も多數に上つてゐるが,本邦に於ては本症に對する脾臓摘出例の報告は比較的少い。
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