FOCUS
免疫チェックポイント(PD-1/PD-L1)がもたらしたがん治療のパラダイムシフト
山口 佳之
1
,
堅田 洋佑
1
,
岡脇 誠
1
,
山村 眞弘
1
Yoshiyuki YAMAGUCHI
1
1川崎医科大学臨床腫瘍学
pp.876-880
発行日 2017年7月20日
Published Date 2017/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407211680
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はじめに
がん治療の革命が始まっている.免疫チェックポイント阻害薬(immune checkpoint inhibitor:ICI)の登場によって,メラノーマを皮切りに肺がん,腎がん,ホジキン病,頭頸部がんなど,数多くのがんにおいて標準治療が塗り替えられている.「がんに対して免疫なんて作動していない」「がんに対する免疫療法なんて眉唾だ」.このような論評が主体であった過去の長い歴史から一変,多くの研究者は「まるで目が点」状態に変わっている.がん免疫療法は,世界が認める第四のがん治療としてもはやゆるぎない存在となっており,腫瘍免疫は,がん治療を考えるうえで今やなくてはならない,がん診療にかかわる臨床腫瘍医において無関心でいられない分野となっている.
本稿においてはがん治療革命の立役者となっている分子,programmed cell death-1(PD-1)/PD ligand-1(PD-L1)とその抗体治療について概説し,今後の展望について考えたい.
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