FOCUS
膵癌取扱い規約第8版 改訂のポイント
吉富 秀幸
1
Hideyuki YOSHITOMI
1
1獨協医科大学埼玉医療センター外科
pp.691-695
発行日 2024年6月20日
Published Date 2024/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407214566
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はじめに
悪性腫瘍に対する診断,治療法は施設間での方針が異なることもある.このような診療の成績を比較検討して評価することは,その進歩に欠かせないステップである.また,多くの施設の治療成績をまとめることも重要な課題である.このような評価のためには背景因子,治療方法などを合わせた状態で評価する必要がある.そのため,診療結果を記録する際の共通の基準,約束事を定める必要がある.このような目的のため,国内外の学会や学術団体から規約(Classification)が発刊されている.国際的には国際対がん連合(UICC)のTNM分類1)が使われることが多いが,本邦からも,各専門学会により癌種ごとに独自の視点も含めた癌取扱い規約が発刊され,臨床現場で広く使用されている.
日本膵臓学会(JPS)も1980年に「外科・病理 膵癌取扱い規約(第1版)」を発刊した.その後,時代の変遷に合わせた改訂を行い,2023年7月に海野倫明委員長のもと第8版2)に改訂を行った(以下,日本膵臓学会からの規約はJPS版と記載).そこで本稿では,今回の改訂のポイントとなる点を解析する.
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