Japanese
English
臨床報告
肝転移を伴ったvasoactive intestinal polypeptide産生膵腫瘍の1例
Long term treatment of a VIPoma with liver metastasis
岩指 元
1
,
柴田 近
1
,
児山 香
1
,
向田 和明
1
,
佐藤 龍一郎
1
,
中村 隆司
1
Hajime IWASASHI
1
1東北医科薬科大学病院消化器外科
キーワード:
VIP産生腫瘍
,
神経内分泌腫瘍
Keyword:
VIP産生腫瘍
,
神経内分泌腫瘍
pp.371-375
発行日 2017年3月20日
Published Date 2017/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407211556
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要旨
症例は40歳代,女性.約2か月前から続く水様性下痢の精査目的で当院を受診した.血清vasoactive intestinal polypeptide(VIP)の上昇と膵体尾部に7 cm大の腫瘍,肝に2個の腫瘍を認めた.膵神経内分泌腫瘍のVIP産生腫瘍を疑い,膵体尾部切除と肝部分切除を施行し,肝転移を伴う膵原発VIP産生腫瘍と診断した.術後約1年で肝転移再発,その後肺転移も出現したが,ダカルバジン,オクトレオチド,2回の開腹手術の併用により術後10年以上の生存が得られている.VIP産生腫瘍はきわめて稀な疾患であるが,肝転移が認められてもこれらの治療法により長期生存が望める可能性があることを本症例は示唆している.
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