Japanese
English
臨床報告
門脈枝結紮術を施行した肝性脳症を伴う肝内門脈肝静脈短絡路症の1例
Improvement of a previously operated hepatic encephalopathy by ligation of an intrahepatic porto-hepatic venous shunt
茂内 康友
1
,
佐藤 貴弘
1
,
青野 哲也
1
,
長田 俊一
1
,
瀧 康紀
2
Yasutomo SHIGENAI
1
1府中恵仁会病院消化器センター・外科
2府中恵仁会病院・放射線科
キーワード:
肝内門脈短絡路
,
肝性脳症
,
門脈枝結紮術
Keyword:
肝内門脈短絡路
,
肝性脳症
,
門脈枝結紮術
pp.1413-1417
発行日 2016年11月20日
Published Date 2016/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407211426
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要旨
症例は77歳,女性.肝内門脈肝静脈短路症による肝性脳症と診断した.積極的加療の適応であり,interventional radiology(IVR)による塞栓術を検討したが,血管造影検査の結果,門脈主部の拡張が軽度で穿刺は困難と判断し,またシャントの血流速度が速いため,下大静脈への塞栓物質の逸脱が危惧された.そのため,手術による加療を選択した.手術は門脈枝P3結紮術を施行した.経過は良好で,術後に肝性脳症の発現なく,血清アンモニアも正常範囲内で肝機能の悪化も認めなかった.本症例のように,IVRが困難な症例に対して流入する門脈を選択的に結紮し,短絡路への血流量を減少させることにより,肝性脳症の改善が可能であると考えられた.
臨外 71(12):1413〜1417,2016
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