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特集 転移性肝腫瘍のいま—なぜ・どこが原発臓器ごとに違うのか
総論
固形癌の転移性肝腫瘍形成の基本的メカニズム
The mechanisms of metastatic liver tumor of solid cancers
小松 久晃
1
,
三森 功士
1
Hisateru KOMATSU
1
1九州大学病院別府病院外科
pp.1326-1330
発行日 2016年11月20日
Published Date 2016/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407211408
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【ポイント】
◆胃癌の腹膜播種・前立腺癌の骨転移・大腸癌の肝転移など癌腫による臓器向性と,癌細胞の循環・排出経路の差異が肝転移の生成を決めると考えられる.しかし一方で,前者は乳癌患者の場合,対側乳癌のリスクはあまり高くないこと,後者は血流豊富な腎臓への転移がないなどの臨床所見から否定的である.
◆各種癌での全遠隔転移例に占める肝転移の割合は,膵癌,大腸癌,食道癌,胃癌と消化器癌に多く,特異的である.
◆転移癌細胞は原発巣からの癌細胞の離脱,血管内侵入,循環系での生存と移動,転移先への生着と増殖の間,様々な微小環境の変化に対応している.
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