昨日の患者
ゲバルト学生
中川 国利
1
1宮城県赤十字血液センター
pp.948
発行日 2016年8月20日
Published Date 2016/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407211257
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国の将来をも左右する安全保障に関する重要法が国会で承認され,さらには憲法改定が今や現実味を帯びつつある.時代の世相を敏感に感じ取り,大いに社会批判してきた若者の言動が沈滞して久しい.私が大学生時代であった昭和40年代は世界的にも学生運動が高揚し,街頭デモや大学ストライキもしばしば行われたものである.しかし昭和50年代には路線をめぐる派閥闘争が激化し,内ゲバが横行するようになった.
昭和53年1月,水戸市および勝田市において,茨城大学革マル派学生活動家の住居など4か所が,対立する他派閥の活動家により同時襲撃を受けた.窓ガラスやドアを破壊して侵入した活動家により,就寝中の学生らの頭部などが鈍器で殴打され,3人が死亡し,3人が重軽傷を負うという凶悪事件が発生した.
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