手術手技
膵癌の腹腔鏡下膵体尾部切除術における左腎静脈露出の際,知っておくべき血管構造とsafe zone
西野 仁惠
1
,
永川 裕一
1
,
土田 明彦
1
1東京医科大学消化器・小児外科学分野
キーワード:
腹腔鏡下膵体尾部切除術
,
左腎静脈
,
膵癌
Keyword:
腹腔鏡下膵体尾部切除術
,
左腎静脈
,
膵癌
pp.1591-1596
発行日 2019年10月15日
Published Date 2019/10/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000001421
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膵体尾癌は膵後方に進展することが多いため,R0切除を行ううえで適切な層での膵後方郭清が重要である。Strasbergらが提唱したRAMPS(radical antegrade modular pancreatosplenectomy)は,膵リンパ流と膵後方剥離面の確実な癌陰性化を考慮したアプローチ法であり1),左腎静脈が膵後方郭清の良いランドマークとなると述べている。開腹手術におけるRAMPSは現在,左側膵癌に対する標準術式であり,腹腔鏡下RAMPS(L-RAMPS)も普及しつつある。しかし,L-RAMPSにおいて,膵後方郭清のランドマークとして左腎静脈を常に安全確実に露出するのは技術的難度が高く,解剖学的なpitfallも存在する。L-RAMPSにおいて左腎静脈を安全確実に露出し,適切な層を保った膵後方郭清を行うのに必要な左腎・副腎血管の解剖学的知識と,われわれが行っているL-RAMPSにおける左腎静脈露出のアプローチ法について述べる。
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