図解!成人ヘルニア手術・13 忘れてはならない腹壁解剖と手技のポイント
腹壁瘢痕ヘルニア(腹腔鏡下修復術)
井谷 史嗣
1
,
中野 敢友
1
,
高橋 一剛
1
,
小松 泰浩
1
,
小川 俊博
1
,
三宅 聡一郎
1
,
三村 直毅
1
,
藤田 俊彦
1
,
佐藤 太祐
1
,
太田 浩志
1
,
三島 顕人
1
,
原野 雅生
1
,
塩崎 滋弘
1
Hitoshi IDANI
1
1広島市立広島市民病院外科
pp.754-764
発行日 2016年6月20日
Published Date 2016/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407211207
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■ 一般外科医が腹壁ヘルニア手術に対する時の心構え
腹壁瘢痕ヘルニアは腹部手術の2〜30%程度発症する1)ともいわれ,腹部外科医にとっては重要な疾患であるといえる.しかしながら急性期医療機関の集約化が進む中で,臓器別診療分担も進む傾向にあり,大部分の施設では何らかの専門分野と並行してヘルニア診療が行われているのが現状である.したがって,腹壁ヘルニア手術に関する技術,知識を常にbrush upすることは必ずしも容易ではないが,最近のガイドライン2〜4)の発表や本邦での保険収載,さらにはトレーニングコースの充実などにより問題点も徐々に解消しつつある.
いずれにせよ腹壁ヘルニア,特に瘢痕ヘルニアは外科手術によって発症するものであり,外科手術でしか治療できない疾患であることを肝に銘じて,発症の予防から最良の術式選択,手技の工夫など誇りと細心の注意をもって診療にあたることが重要である.
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