Japanese
English
臨床報告
内視鏡的治療が急性膵炎の再発防止に有効であった膵管非癒合の1例
A case of recurrent pancreatitis due to pancreatic divisum
井戸 弘毅
1
,
眞栄城 兼清
1
,
前田 裕子
1
,
奥田 澄夫
1
,
城間 伸雄
1
,
利光 鏡太郎
1
Kouki IDO
1
1大隅鹿屋病院外科
キーワード:
膵管非癒合
,
急性膵炎
,
内視鏡的副乳頭切開
Keyword:
膵管非癒合
,
急性膵炎
,
内視鏡的副乳頭切開
pp.1037-1040
発行日 2015年8月20日
Published Date 2015/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407210853
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要旨
症例は64歳,女性.原因不明の膵炎を繰り返すため当科へ紹介された.MRCPで体部主膵管狭小化と尾側膵管の拡張および仮性囊胞を認め,また,頭部主膵管の走行が下部胆管と交差し,膵管非癒合の合併が疑われた.ERCPでは副乳頭が腫大し,同部からの造影では背側膵管のみ造影され,造影剤の排出不良も認められた.以上より,膵管非癒合が膵炎の原因と考えられ,内視鏡的副乳頭切開術を施行した.治療後約5年経過した現在も,膵炎の再発は認められていない.原因不明の膵炎を診療する際には,膵管非癒合を念頭に入れる必要があり,膵管非癒合が膵炎の原因と診断されれば,膵炎の再発および膵機能維持のため内視鏡的副乳頭切開などの積極的治療が必要である.
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